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ボロボロの本が教えてくれた奇跡|第3章 魔法の本は難しすぎた

Monday, November 02, 2026

地球防衛軍公式ブログ/ボロボロの本が教えてくれた奇跡|第3章 魔法の本は難しすぎた

> 連載「ボロボロの本が教えてくれた奇跡 〜勉強嫌いだった少年が、学ぶ喜びを見つけるまで〜」

> 著者:地球防衛軍 大橋正幸

第3章 魔法の本は難しすぎた

少年は夢中になって読み始めた。

最初に登場したのは、チョコレートの匂いと記憶の話だった。

匂いを嗅いだ瞬間、昔の出来事を思い出すことがある。

確かに少年にも経験があった。

雨上がりの土の匂い。

夏休みに訪れた祖父母の家の匂い。

学校の給食室から漂う料理の匂い。

匂いをきっかけに、忘れていた風景が突然よみがえることがある。

「へえ、面白いな」

少年は読み進めた。

しかし、次第に文章は難しくなっていった。

脳の働き、潜在意識、催眠、記憶と感情の関係。

専門用語が増えるたび、読む速度が落ちていく。

一つの文章を三回読んでも意味が分からない。

辞書を引いても、説明の中に知らない言葉が出てくる。

「何でこんなに難しいんだ」

最初の興奮は少しずつ薄れていった。

三日目には読む時間が短くなった。

一週間後には、机の隅に置かれるようになった。

そして、いつの間にか本棚の奥へ追いやられてしまった。

少年は自分に言い聞かせた。

「やっぱり勉強のできる人が読む本なんだ」

不思議なことに、本を読めなかった悔しさよりも、少し安心した気持ちがあった。

もう難しい文章と格闘しなくてもよいからだ。

しかし、あの本を手に取った瞬間の胸の高鳴りだけは、どこかに残っていた。

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次回、第4章「段ボール箱の中で眠った夢」へ続く

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